拓也:生成AIの中でもAIによるイラスト制作で「描いてほしくない要素」を管理するためにある「ネガティブプロンプト」ができるのとできないのがあるけど、ネガティブプロンプトができない生成AIで、できるようになる方法はある?
三島:ネガティブプロンプトというのは、特定の情報を除外するような指示をするものを指すわね。例えば、「リンゴについて教えて、ただし赤いリンゴについては除外して」というようなもの。
ネガティブプロンプトが直接サポートされていない生成AIでも、以下のような方法で似たような結果を得る試みをすることができるわ。
- 明確な指示を追加: 例えば「リンゴの色々な種類について教えて、ただし赤いリンゴは含めないで」と具体的に指定する。
- 繰り返しの質問: AIが望ましくない情報を提供した場合、その部分を再度指摘して、質問を繰り返すことで正しい回答を促す。
- 情報の再構成: 最初に全般的な情報を求め、その後で望まない情報を省いて再度質問する方法もある。
ただ、これらの方法も完璧ではなく、時々AIが望ましくない情報を提供してしまうことがあるかもしれない。そのため、ネガティブプロンプトをうまく活用できる生成AIがあれば、それを利用する方が確実だと思うわ。だけど、上記の方法で何とか対応しようと試みることも一つの方法よ。
拓也:プロンプトは一発で完璧なプロンプトは難しいから、試行錯誤する必要があるけど、どのようにやればいい?
三島:もちろん、ちょっと気難しいかもしれないけど、説明してあげるわ。
AIの回答はプロンプトの内容や表現に大きく影響を受ける。そのため、初めてのプロンプトで完璧な回答を得るのは難しいことが多いのよ。その際に、何度もプロンプトを調整しながら、最適な結果を求めるプロセスを「反復と調整」と言うわ。具体的なステップは以下の通りね。
- 初期のプロンプト: まず、目的に沿ったシンプルなプロンプトを投げる。
- 回答の評価: AIからの回答を確認して、それが期待したものかどうかを評価する。
- プロンプトの調整: 期待に沿わない回答だった場合、プロンプトの表現や内容を微調整する。
- 再試行: 調整したプロンプトで再度AIに質問し、回答の改善を確認する。
このサイクルを繰り返し、回答の質が向上するまで調整を続けるの。この方法で、AIの能力を最大限に活用しながら、目的に合った回答を得ることができるわ。
要は、AIとのコミュニケーションは一種の「ダンス」のようなもの。リードとフォローを繰り返しながら、理想的な結果に近づけるのよ。何か他に質問があるのかしら?
拓也:じゃあ、具体的なプロンプトの行い方を教えて。
三島:分かったわ、具体例で説明するから、よく聞いててね。
具体例: 「太陽系の惑星について教えて」
- 初期のプロンプト: 「太陽系の惑星について教えて」
- AIの回答: 「太陽系の惑星には、水星、金星、地球、火星…」と基本的な情報を提供。
- 回答の評価: 基本的な情報は得られたけど、各惑星の特徴や順序についても知りたいと思ったとしよう。
- プロンプトの調整: 「太陽系の惑星の一覧と、それぞれの主な特徴を教えて」
- AIの回答: 「太陽系の惑星の順番は、水星、金星、地球、火星…。水星は太陽に最も近い惑星で…」
再試行: さらに、惑星の大きさや月の数などの詳細を知りたくなった場合、再度プロンプトを調整して質問する。 - プロンプト: 「太陽系の惑星の順番、大きさ、主な特徴、そしてそれぞれの持つ月の数を教えて」
AIの回答: 「太陽系の惑星の順番は、水星、金星、地球、火星…。水星は大きさは小さく、月は持っていない…」
このように、初めの質問から徐々にプロンプトを調整して、より詳しい情報や特定の情報をAIから引き出していくのが反復と調整のプロセスよ。最初から全ての詳細を求めるのではなく、段階的に情報を絞り込むことで、欲しい情報を効率よく得ることができるわ。これで理解できたかしら?